【浄土宗】供養のしかた

ご本尊

ご本尊さまは阿弥陀如来の立像で、船形の光背のついたものをお祀りします。また、本尊の向かって右側に観世音菩薩、左側に勢至菩薩をお祀りします。さらに丁寧に祀る場合は、観世音菩薩の外側に善導大師(唐代の僧)、勢至菩薩の外側に浄土宗宗祖の法然上人の像をお祀りします。

仏壇の祀り方

浄土宗では仏壇の宮殿や厨子の前に戸帳を垂らす。また、前机にかける打敷も三角形ではなく長方形のものを用います。本尊は上段に祀り、位牌は中段に右側から古い順番に並べます。中段の中央に前机を置いて、香炉、燭台、華瓶を飾ります。仏飯器、茶湯器も前机に置きますが、無理な場合は、上段の本尊前に置いてもよいでしょう。下段には中央に過去帳を配して、左右に高坏と花立てを1対ずつ置きましょう。仏壇の手前には経机を置いて、経本、数珠、香炉などをを並べる。木魚や伏鉦をおく場合は、経机の右下に置きましょう。

日々のお勤めと作法

浄土宗の教えの最大の特徴は「専修念仏」です。つまり、「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えることによって、阿弥陀仏の徳を得て、極楽浄土へ往生することです。何よりも念仏を唱えることを重視しています。朝のおつとめ作法は以下の通りです。ただし分派によって多少異なることがあるので、菩提寺の僧侶に聞いてみるのがよいでしょう。

  1. 香偈
  2. 三宝礼
  3. 三奉請(または四奉請)
  4. 懺悔偈
  5. 開経偈
  6. 無量寿経の中の「四誓偈」または「歎仏頌」、「観無量寿経」の中の「第九真身観文」
  7. 回向文、十念
  8. 一枚起請文(または一紙小消息)
  9. 摂益文、次に念仏一会
  10. 総回向文、十念
  11. 総願偈
  12. 三身礼(または三帰礼)
  13. 送仏偈

どうしてもお勤めができないときには、「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えるだけでもよいでしょう。

浄土宗のしきたりと注意点

おつとめの線香の本数は、天台宗や真言宗のように決まりはございません。1本、2本でもよいので、心を込めて仏さまにお供えすることが大切です。抹香の場合は、指につまんだ抹香を軽く額におし、いただいてから香炉に入れましょう。この回数についても決まりはございません。仏壇の上部に戸帳を垂らす場合は、本尊さまが隠れてしまわないように気をつけましょう。

本尊を立像でお祀りする訳

浄土宗の本尊は阿弥陀如来です。在家信者の仏壇にお祀りするのは、坐像ではなく、「来迎引接像(らいごういんじょうぞう)」の立像のほうが、阿弥陀さまが立っていらっしゃる分だけ早く、人々を救うために来ていただけると信じられています。

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