【 道元 】名僧解説シリーズ

道元
坊主

曹洞宗の開祖で世俗を離れた修行僧の「道元(どうげん)」を解説します!

目次

プロフィール

  • 生没 1200〜1253年
  • 宗旨 曹洞宗
  • 別名 道玄・希元・仏法房(ぶっぽうぼう)・承陽大師(じょうようだいし)

道玄の生涯

潔癖なまでに正しく仏法を求めつづける

鎌倉期の正治2年(1200年)、京都・宇治で、村上源氏の系統をひく久我通親(こがみちちか)の子として誕生しました。しかし、3歳で父を、8歳で母を失い、13歳のとき比叡山・横川に入ります。14歳で得度、受戒し〝仏法房道元”という名を与えられました。

天台教学を学んでいましたが、「本来法性、天然自性身」人は元来仏であるという教えに、それならばなぜ修行をするのか、と疑問を抱くようになり、下山します。三井寺の公胤に禅宗の存在を教えられて以降、建仁寺で臨済宗・黄竜派の禅を、三井寺で学問を学ぶという日々を過ごしました。

24歳のとき、本格的に禅の学問を修めるため中国へ渡航します。ここで天童山の如浄と会う機会を得、「参禅は、すべからく身心脱落なるべし」坐禅がそのまま身心脱落の姿、身も心も一切の束縛から解放されたさとりの姿である。それなのに坐禅中に眠っていてどうする、という如浄が僧を叱る声を聞いて、今までの疑問を解決します。以来、修行に専念して4年後に帰国しました。

建仁寺に戻ると、坐禅のしかたを説いた『普勧坐禅儀』を著すが、比叡山の僧たちからの迫害、建仁寺内の腐敗・堕落を嫌い、31歳で京都・草に隠遁。 安養院に居を構えます。この地で、嘉禎2年(1236年)に曹洞宗開宗第一号の寺・観音導利興聖宝林禅寺を建て、『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』を説き、積極的な布教活動を行いました。

さらに、信者のなかに土地を提供してくれる者があり、越前(現在の福井県)に移住します。また、大仏寺の開堂供養を行い、2年後、この寺を永平寺と改めました。

のちに鎌倉へ赴き精力的に活動するが、病にかかり、京で54歳の短い生涯を閉じました。

道元の思想

末法思想にも念仏にも目をくれず、ひたすら坐禅を行う

末法思想とは仏教がすたれ、世の中が戦乱や天変地異にみまわれるというもの。人々が不安に脅え、切に往生を願ったことが、浄土教が隆盛した理由のひとつです。

道元は、念仏によって救われるという浄土教の思想を否定します。そうした杞憂をするより、仏教本来の修行に励めと説きます。

また、道元は臨済宗の「栄西」が宗派を大きくするために、時の権力者たちと親交を深めたようなことは一切しませんでした。 その権力者たちがやがて没落して、それとともに宗派やその教えがすたれてしまうことを知っていたからです。

師・如浄の教えを守って、遠く人里を離れた地に寺を建て、門弟や庶民を中心にしてその教えを広めていきました。

道元の思想

ひたすらに坐禅を行うことを説く

道元の思想の根幹は「只管打坐(しかんたざ)」にあります。つまり、読経・念仏・焼香・礼拝・懺悔などに重きをおかず、〝ただ無条件に坐ること”という考え方をもとに、「この正伝の仏法以外に仏法はなく、比較すべきものは存在しない」という立場を潔癖なまでに貫き通すことでした。

坐禅修行は、老若男女の区別や身分の差など関係なく、修めることができるもので、坐禅そのものが“さとり”であるとする「修証一如」を説きます。したがって、「ただ舌をうごかし、こえをあぐる仏事功徳とおもえる、いとはかなし。… 口声をひまなくせる、春の田の蛙の、昼夜になくがごとし」と、読経も念仏も田んぼの蛙の鳴き声のようだと痛烈に批判しています。しかも、自身の宗派を〝禅宗” と呼ぶことさえ、諸宗派の一派と同じになってしまうと許しませんでした。また、”禅宗”を否定したように、道元は、”真言宗”や”真言密教”も否定、さらには浄土教が栄えた理由のひとつである“末法思想”までもを否定しています。

道元のエピソード

道元を大悟させたひとこと

ep.1 「自分がやるから修行なのだ」

夏の天童山(てんどうさん)で修行中のこと。焼けつくような日ざしのなか、背中をまるめた、68歳の老典座(食事係)が椎茸を干していました。 道元が、なぜ若い者にやらせないのか、と聞くと「他人にやってもらったのでは、自分の修行にならない」との返事。 老典座のひとことに、道元は修行に対する厳しい態度を学んだのであった。

ep.2 「そんなに本を読んで何の役に立つ」

道元が古人の語録を読んでいると、ある修行僧が「そんなに本を読んで何の役に立つのだ」と尋ねてきました。 問い詰められた道元は、古人の行いを読む必要はない、坐禅をしてさとりを開くことが大事だと気がつきます。

 

坊主

いかがだったでしょうか
今回はここまでです!

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